息子が、学校のプールの進級テストでクロール50mに合格した話を書いたのは、調べてみたら約ひと月前のことでした。
夏休み後半の進級テストは今日でした。
しかし天気がとても怪しかったのです。
天気予報では曇りマークでしたが、窓から傘をさして歩いている人の姿見えました。
水温と気温の合計が50℃を超えない場合は中止になるという規定があるのは知っていたのですが、小雨はどうなんだろうってヤキモキしていました。
数年前から学校のHPで受付時間10分前までに、プールを実施するか否かを知らせてくれるようになったので、HPを何度も更新して確認したら中止の連絡はありませんでした。なので、実施するのだとわかりました。
ところが玄関を出ると一度止んだ雨がまた降り出していました。
少し肌寒い風を感じながら、傘をさしつつプール道具を持ち登校する息子を見ていたら、なんだか今日プールに行かせるのが気の毒な気持ちになってきました。
けれども、数少ない検定を受けるチャンスを逃すのも惜しくて、もしもこのまま雨が強まって学校の判断で中止になるのであればそれはそれ、と学校の判断に委ねることにして、とりあえず私は家に入りました。
後半の学校のプールは今週の月、火、水、木の4日間で、今日水曜日が検定日となっています。
基本あまりプールが好きでない息子は、朝「行きたくない」と大体言いますが、一昨日の月曜日は、久しぶりに学校の友達と会えることと、もし都合が合えば午後に友達を家に呼べるということで珍しく喜んで出かけて行きました。
しかし、昨日火曜日は
「なんのためにプールに行かないといけないのか意味がわからない。無理やり行かされている気がする」
と言って、出かけに玄関で泣いていました。
「じゃあ行かないでいいよ」と言おうかどうか迷ったのですが、家にいても結局YouTubeをダラダラと長時間見たりゲームをするばかりなので、できるだけ運動してほしい気持ちが強かったのです。だから、我慢比べのように、私は黙りました。
見かねた旦那が
「じゃあ、明日(水曜日)に友だちと遊ぶ約束をしてくれば? とりあえず今日は行って、明日はまた明日考えるから」
と言ったら、息子は渋々玄関を出ました。
ちなみに昨日の火曜日は、アレルギーの薬が切れたので午後には耳鼻科に行くことになっていたのです。
ゴミ捨てのついでに共同住宅の敷地の端まで息子を見送りに出ました。
そこでまた
「無理やり行かされている気がする」
と息子が言ったので
「まあ、そうだね。実際。自分で行きたくて行くわけではないから、お母さんたちが『行かせている』ことにはなるね」
と認めたら、返す言葉がなかったのか、肩を落として渋々出かけて行きました。
世間では「学校に行きたくなかったら行かなくていいんだよ」というメッセージがこの時期流れていて、そのメッセージに賛同しつつも、我が子のことになると、その「行かなくていい」という一線をできるだけ先延ばしにしたい気持ちが湧いてしまうことを、我ながら矛盾していると感じています。
今は、まだ1時間ほどの「プール」なのだけど、9月に入ってもしも初日に「行きたくない」と言われた時に「そうか、わかった」とすんなり言えるかどうかは自信はないです。
おそらく、教室まで送るとか、ちょっと遅刻して行くとか、そうした対応を取りつつも、「行かない」を認めるというところまでは時間がかかると思います。
そう考えると、どんな理由であれ、お子さんのことを考えて「行かない」という選択ができている親御さんの葛藤を感じ、決断する勇気は本当にすごいと思います。
親子の数だけ、道のりはあって、結果的に「学校に行く」選択、あるいは「学校に行かない」選択をして行くのだと思いますが、私たち親子にとっても無関係とは言えない大事なことだと感じています。
それで、我が家の場合は、今のところ、背中を押す段階だと思っています。
昨日の話に戻りますが、息子は
「明日(水曜日)に遊ぶ約束をした。怖かったけど大丈夫だった」
と言って帰ってきました。
そして今日です。
寒そうで、小雨の降る中プールに行く息子にも、送り出す私にもそれぞれ躊躇いはあったのですが、もし明日(木曜日)に検定が延期になることが息子と私にとって面倒なことだったのです。
それは、明日は習い事のスイミングスクールの方で検定があるからです。
今日のプールが中止になって検定が明日に延期になってしまうと、「ダブルプール&ダブル検定」になってしまうので、息子も嫌がるし、不機嫌な息子を見ると私も辛いのです。
だから、今日検定をどうにかやってほしかったのです。
願いが通じたのか、天気はイマイチで時折小雨も降っていたようですが、検定は無事行われました。
息子は「正しいカエル足ができる」と「平泳ぎで25m泳ぐことができる」の2段階をクリアしました。
「受かったよ」
そう言って帰ってきた息子の顔はどこか誇らしげでした。
「おーおめでとう! すごーい」
そう言って私は迷わずハグをしました。
息子の様子を見つつ、状況に応じて「気持ちに寄り添うこと」と「背中を押すこと」という接し方を毎回親としては選ばないといけないのですが、なかなかその判断は難しいですね。
息子はHSC(ひといちばい敏感な子)と思われるので、周りの子に比べて私はかなり気持ちも物理的にも寄り添い気味ですが、こと、スイミングについては背中を押し続けています。
苦手なものは無理にさせるのはよくないと思うのですが、全ての苦手を排除することにも直感的なリスクを感じていて、「これだけは、嫌でもやるように応援したい」と思ったのがスイミングなのかもしれません。
しかし、そう言い切りたいのも、「もしかしたら間違いなのかもしれない」という不安を払拭するために自分に言い聞かせたい気持ちの現れだとも思います。
難しい……。
しかし、今日、2段階合格をして、
「やったー」
と言って喜んでいる息子を見ると、これはこれでよかったのではないかと思いたいのです。