涙と笑顔のあいだ

HSC(ひといちばい敏感な子)高1ひとりっ子男子(2024年4月現在)の子育てを通し成長させてもらいながら、日常のモヤモヤの純度を上げるべく綴る50代ライターのブログ

幼稚園でひとりでいることが多かった息子の気持ち

今日、予定通り息子の友だちが二人来て、ゲームをしてドーナツを食べて帰っていった。

ドーナツは、今日買ってきたものだ。

ミスタードーナツのお正月の福袋の中に「ドーナツ20個引換券」というのが入っていた。

その使用期限が3月末までだったので、「せっかくだからお友だちにご馳走しよう」ということで、終業式が終わって11時前に帰って来た息子と一緒に引き換えに行ったのだ。

 

「ドーナツのどれがいいか聞いたら、どれでもいいって言われた」

息子は学校で一応二人にリクエストがないかどうか聞いたようだった。

 

結局、6種類買った。

3つはお友だちと息子の分。

残りの3つは、旦那と私と、その時一緒に食べたいだろうから、その時の息子の分。

 

 

少しきな臭い場面はあったものの、ケンカということにはならないで友だちとさよならできて、とりあえずホッとした。

長い休みの前にケンカをしてしまうと、翌日顔を合わせて解決するものが拗れてしまうこともあるからだ。

 

17時に友だちに帰ってもらったのは、耳鼻科に行くからだった。

 

耳鼻科に行く道々、息子と話をした。

ああ、4月から5年生かと思ったら、なんとなく質問してみたくなった。

「もし戻れるとしたら、戻りたい時期ってある?」

すると息子は、

「ない」

と言った。

 

「俺、HSCだから、ごっこ遊びとか嫌だったんだ」

そう言われて驚いた。

HSCとは5人に1人いると言われている、ひといちばい敏感な子のことで、確かに息子はそのタイプだと私も思っているけれど、それと、ごっこ遊びが嫌だという意味がよくわからなかった。

 

でもよくよく聞いてみると、幼稚園で、友だちと一緒に遊びたかったけれど、「ごっこ遊び」も嫌だし、鬼ごっこも足が遅いから嫌だった。だから、一人でいるしかなかったというのだ。

 

「なるほど。幼稚園が好きじゃなかったことは前に教えてくれたけれど、幼稚園の中でまだ大丈夫というか楽しかった時間はあった?」

「本を読んでいる時間。というか、その時は字もあんまり読めなかったから写真を眺めてるだけだったけど、そうしている時は、誰にも邪魔されないし楽しかった」

「そうか。じゃあ、一人で寂しそうだからと言って声をかけられ過ぎるのも嫌だったの?」

「そういう時もあった」

「そうなんだね」

「今は、友だち、男の友だちができて一緒に遊べるから、今の方が楽しい。だけど、クラス替えがあるから不安。心配」

「そうか。じゃあお母さんが、ダメ元で仲のいい人と同じクラスになれるように祈っとくよ」

「それ無理でしょ」

その場は、笑って終わったけれど、いろいろ考えながら過ごしているんだなって思った。

 

そうだよね。女の子と遊ぶことが低学年の時は多かったよね。

それは親としてはありがたかったけれど、息子は、同性の友だちと分かり合いたかったんだと改めて思った。

 

 HSCといってもいろいろな人がいてひとりひとり違うから、決めつけられないけれど、大人しいとか、内気とか言われがちなタイプの子は、幼稚園などでひとりでいることが多いような気がする。

 

ひとりで居たいのか?

本当は、ひとりでは寂しくて仲間に入りたいのか?

親としては、よくわからなくて、親自身の気持ちも入って、誰かと一緒にいることを勧めてしまうこともあるけれど、本当は、ひとりで居たいわけでもなく、誰でもいいから誰かと居たいわけでもないのかもしれない。

本当に、一緒に遊びたいって思う子が現れた時に、自然と近づきたい気持ちが芽生えるような気もする。

 

こんな風に言えるのは、今、息子が友だちと一緒にいる姿が見られるからであって、幼稚園の時はそんな風に思えなかった。

我が子がひとりでいるのを見ると、胸がぎゅっと締めつけられることもあるけれど、大切なのは、その子がどうしたいのかなのかもしれないと今は思える。

 

そうは言っても、4月からの新しいクラスの面々のことをやはり私も気になってしまう。

できれば笑顔で過ごしてほしいからだ。

 

春休みの約2週間。

4年生のまとめをしつつ、5年生に向けて気持ちを新たに頑張ってほしいけれど、できるだけリラックスしてほしい気持ちもある。

 

全く親は勝手だ。

子ども自身のことだから、と冷静に見たいはずなのに、気がつくと熱くなっている。

 

だから、気がついた時に、少し落ち着くことができればまあいいやと思うことにする。