久しぶりのブログ。
今の驚きを記しておきたくて書いている。
中1の息子は160㎝弱の私の背丈にまもなくなろうとしている。
勉強するようにと促しても、最低限の宿題しかしないし、だんだん私の言うことを聞いてくれなくなってきた。
私が何か言うと、一応「うん」とは言う。
だけど、明らかに聞き流している感じがある。
これが思春期なんだろうな、反抗期っていうやつに入っているんだろうな、そう思いながらも、どうにかして、「私が正しいと思っていること」を伝えたいし、そうしたほうがいいと気づいて勉強してほしい……
コントロールしたがっているんだ私……そんな自分に気づき、苦々しい。
けれども、一方で、息子はおしゃべりで、寝しなに今日あった出来事を話してくる。
そんな日々が続いている今日この頃だ。
今朝、息子を送り出してから、麦茶を飲もうと冷蔵庫を開けようとしたら、マグネットで貼られた封筒に気づいた。
「アルトリコーダー」の申込書だった。
8時から8時20分の間に、昇降口に業者の人がきて販売するという。
封筒には「1日のみの販売です」と書いてあった。
まずい。
月曜日ということもあって、息子はとても不機嫌に家を出て行った。
ああ、おそらく、昇降口でお金を持ってきていないことに気づいて、汚い言葉で独り言を言って、だたでさえ不機嫌な気持ちを、さらに悪化させるのだろうな。
4階までの道のりに、重い荷物をさらに重く感じて、一体どうすれば良いのだろうと悩むのではないだろうか?
そんなことを私は憶測しながら、今できることを探した。
ネットで同じものを買えないだろうか?と調べると、割引で販売している今日の代金よりはほんの少しだけ高いけれど、送料無料で買えるサイトを見つけた。
しかも今頼めば、明日届くというものだった。一安心した。
だけど、今、ポチッとしてしまって良いのだろうか?
今日封筒を持っていかなかったのは、やっぱり私が悪かったよな……息子もチェックすべきとはいえ。
まあ、誰のせいとかはっきりさせなかったとしても、やはり息子と話し合ってからネットで買った方がいいな。
そう思ってポチるのは控えた。
息子が帰ってきたらなんて話そう?
だけどおそらく今日は部活だから帰りは18時くらいかな?
そんなことを考えていた夕方、想像よりも早く息子が帰ってきた。
16:30くらいだった。
しかも体操着で、しかもリュックを背負っていなかった。
え?
私が事情を聞く前に息子は
「これから再登校するんだ」
と言った。
どうやら、アルトリコーダーの代金の他に、期末テストの「振り返り文」を書くのを忘れていたようだった。
自分のだけ書くだけなら一旦帰ってこなくてもよかったけれど、私の言葉も必要なため帰ってきたようだった。
あまり詳細まで問うと、泣きそうな感じだったので控えた。
怒りなのか、疲れなのか、悲しみなのかわからないけれど、とにかく、今は、するべきことをやって、すぐに学校へ戻りたい感じだったので、あまり言葉はかけずに、汗を拭くためのタオルと麦茶だけ用意した。
だけど、やはりこれだけは聞きたい。
「アルトリコーダーのお金持っていかなかったね」
「うん」
「お母さんもうっかりしていたよ。ごめんね。さっきネットで探したら、買えそうなんだけど」
そう言うと、息子は
「明日持っていけばいい猶予をもらった」
と言った。
「え? 業者の人がもう一回来るの?」
「いや、先生に渡せばいいって」
「他にも忘れた人いた?」
「俺だけ」
「そっか」
「今、持っていっちゃう?」
「いや、話がややこしくなるから、明日って約束したから明日のほうがいい」
「そうか」
その後、期末テストの反省を2人で書いて、15分くらいの滞在後、もう一度家を出て行った。
朝は、集合住宅の敷地のところまで見送ってと言っている息子が、玄関で「行ってきます」と言うと振り返りもせずに学校へ向かった。
目の前のことが理解できず、ちょっとポカンとしてしまった。
「思ってたんとちがう」
今日の驚きを整理してみると……
・何かを忘れた時にしないといけない、とても恐れていた「再登校」を泣きそうになりながらも、泣かずにできたこと
・アルトリコーダーのお金を忘れたことを先生に話して、明日持っていけばいいという交渉をしたこと
・アルトリコーダーのお金を忘れたことを私のせいにして怒るか不機嫌になるかと思ったら、一切責めてこなかったこと
そんな感じ。
今、アドラー心理学を学んでいて、子育てに生かそうとしていているが、なかなかうまくいっている実感はない。
だけど、今日、すごく感じたのは、息子はちゃんと考える力を持っていると言うことだ。
何かできなかったときに、ただただ泣いている昔の息子の姿が、つい目に浮かんでしまったけれど、そうじゃなかったんだ。
どうしたらいいか考え、あるいは、その場にいる人に聞いて、ちゃんと交渉ができるようになったんだ。
子どもは成長し続けているんだ。
そう思ったら、なんかとても嬉しかった。
失敗は怖い。
そう思う私が今もいる。
できれば失敗はしたくないと自分自身思ってしまうし、息子にも大きな失敗はしてほしくないとやっぱり思ってしまうけれど、「失敗は経験」であり、失敗することで自分で考える力がつくのだと、目の前の息子を見て思った。
そして、
私も成長しなくちゃな。
成長したいな。
そう思った。