涙と笑顔のあいだ

HSC(ひといちばい敏感な子)中1ひとりっ子男子の子育てを通し成長させてもらいながら、日常のモヤモヤの純度を上げるべく綴る40代主婦のブログ

桜並木を歩きながら聞いた息子の友だちへの思いと不満

今日は、息子と桜を見ながら公園を散歩した。

 

桜の木は家の近所にもあるので、わざわざ公園に見に行かなくていいかなと思いながら、もうすぐ散ってしまいそうだったとしても、なぜか息子と一緒に桜並木を歩きたい衝動にかられた。

 

遠くから見れば満開に見えるけれど、近くで見るともうすぐ散ってしまいそうな桜は、少し私を切なくした。

何か悲しいことがあったわけではないのだけれど、なぜか諸行無常を感じたのだ。

 

桜並木を歩きながら、時々桜の写真を撮ったり、息子の友だちAくんへの思いや不満を聞いた。

 

Aくんの「周りの空気が読めない部分」を我慢していたのだけれど、ストレスに感じる。

だから最近は我慢しないで文句を言うんだと息子は言った。

でも、と、私が言うと、わかってるよと息子は言った。

「言いたいことはわかるけれど、言い方を気をつけなよって言うことでしょ」

「そう」

「だけど、怒ってる時はついそうやって言ってしまうんだ」

「うん……」

なんて言えば良いかわからなかったけど、

「Aくんの【周りの空気が読めない部分】は、時にはよくないかもしれないけれど、個性であり、短所ではなくて長所としても受け取られることがあるよ」

と私は言った。

すると、

「でもその空気が読めない発言で人を傷つけることや、周りの人をイラつかせることもあるからよくないと思う」

と息子は言う。

そして、

「【周りの空気が読めない部分】を持ったまま大人になってしまったら、Aは立派な大人になれないんじゃないかと心配しているんだ、家族でもないのに」

とも言った。

「そうか。そう思うんだね。だけど、人のことは変えることはできないんだよ。『変えた方がいいと僕は思う』とは言ってもいいけれど、『変えろ』とは言えないんだよ」

「知ってる。だから仕方ないから放っておくことにした」

息子がいちいちAくんの空気が読めない発言に反応していたら、同じクラスの女の子に、放っておいた方がいいよと何度も言われたらしく、そうすることにしたらしい。

いいともダメとも言えなくて、私は、最後に

「そうか」

としか言えなかった。

大人になっても、正解ってやつはわからなくて、人の気持ちを考えれば考えるほどわからなくなるなって思った。

しかし、息子は息子なりにいろいろ考えてるなと感じた。

空がいつもより青く見えた。

 

そんなことを話しつつ、図書館へ行った。

息子は、手塚治虫のことが書かれた本を3冊と、『キャラクターデザインの仕事』という本を借りた。

前は、絵本とか図鑑ばかり借りていたのに、いつの間に文字が多い本を選ぶようになったんだなって思ったら、グッときた。

 

そして夕方、夕食の準備をしていると

「お母さん、もしご飯が出来上がっても、見たいテレビが6時55分に終わるから、それが終わってから食べたいと思っている」

と台所にわざわざ言いにきた。

「わかったよ」

そう言いながら、はて、そんなことわざわざ言いにくるのは珍しいなと思った。

あ、もしや、あの本の影響かしら?

 

その本とは最近購入した『ハッピースクール開講! 友だち、勉強、家ぞくのなやみ あけはし先生に聞いてみよう』明橋大二・著 1万年堂出版のことだ。

 

 

これには

・わがままな友だちとどうつきあったらいい?

・あいさつはなぜ大切なの?

・3人組になると、仲間はずれができるのはどうして?

などの小学生が疑問に思うことが、漫画を通して書かれている。

 

そこに載っていた

・親はどうして口うるさいの?

というところに

“親もあなたのことが心配だから”口うるさい。

“それに“子どもが何を考えているかわからない どういうつもりでいるかわからないというところもある”それだから、今自分がどう思っているのか、どうしようとしているのか予定を具体的に伝えよう。そうすれば、親もそれ以上うるさく言わないだろう、とあったのだ。

 

それを読んで実行したんじゃないかと思ったのだ。

 

予告通り、6時55分になったら息子が食卓についた。

 

ご飯を食べ始めてしばらくした時に、もしかしたら、本を読んで実行したのかな? と私は聞いた。

 

息子は、意識をしてそうしたわけではないけれど、もしかしたら、本の影響を受けているかもしれないと言った。

 

わざわざ、確認するところが私がまだ未熟なところだと思いながらも、いい本を勧めることができたなって思って嬉しかった。

 

この本は、HSC(ひといちばい敏感な子)向けだけに書かれたわけではないようだけど、それでも、自分よりも相手の気持ちを考えてなかなか自分の気持ちを言えなかったりする子に寄り添った回答が書かれている。

スクールカウンセラーであり心療内科医でもある明橋先生が、クマのキャラクターになって登場し、悩んでる小学生たちを温かく見守りながら導いてくれている。

 

親として伝えることも大切だけど、近いからこそうまく伝えられないところもあると思う。

だから、多くの親子に読んでほしいと思う。

 

私自身はうまくアドバイスできなかったけれど、対話の多い1日で、これはこれで良かった気がする。