涙と笑顔のあいだ

HSC(ひといちばい敏感な子)高1ひとりっ子男子(2024年4月現在)の子育てを通し成長させてもらいながら、日常のモヤモヤの純度を上げるべく綴る50代ライターのブログ

第九に出会った時のこと~20年前のつぶやき~

約20年前に、

上野の東京文化会館で、

年末に開かれるベートーベンの第九のコンサートの合唱団を

募集していました。


確か、

東京都に在住か在勤の希望者から

抽選で選ばれるものでした。


私は、歌が好きだったので、

何でもいいから歌う機会が欲しくて、

「第九と何か」もよくわからないまま

勢いで応募しました。

その時の、

つぶやきが書かれたノートの切れ端を見つけたので、

今日はそれをうつしたいと思います。


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『第九』


歌が好き。だから歌いたい。

こんな簡単な理由で、第九を申し込んだ。


練習日とか、レベルとかあんまり考えずに、なんとかなるさ、

ダメだったらやめちゃえなんて気軽に考えていた。

いつもの私じゃなかった。前向きに生きよう。

何でもチャレンジしてやろう。

案ずるより産むがやすし。

なんて、

180°違った私になろうとしていた矢先の話だったから。


でも現実は決して甘くはなかった。

申し込み時に、熱く燃えていた情熱の火も、

薪をくべなきゃ消えそうな頃、通知が届いた。

入団できるこのこと。

半ば嬉しく、半ばまいったなーって感じだった。

何せ、月曜日18:30に上野へ行くから、

18:00に銀座で仕事が終わってすぐ行っても、

間に合うかどうかなのに、

定時に終わるかどうかもわからないから…。

(当時、銀行員で勤務していた支店が銀座にありました)


でも、一応行って、

遅れてもいいか交渉してみようと思いって、行ったら、

思っていた以上に本格的でびっくりしてしまった。

最初の挨拶で、運営の方が、

「休むのはもってのほか、遅刻も許しません。

抽選で外れた人の分も、みなさん責任もって練習して全員出られるように」

と言われ、緊張していたのが、さらに硬直してしまった。


もう始まってしまったのだから、貫き通すしかない。

そう決心していた。あとは、職場との折り合いが…。


まず、先輩に言うと、驚いて、そして応援してくれた。

月・木は、【私の早帰り日】としてくれて、協力してもらった。

お礼に、本番に、招待しようと決めた。


少し遅れたりしたけど、

ほとんど、間に合った、職場のみなさんのおかげで。

そして、人の心の温かさを感じた。

脇にできたしこり

(良性のものだけど、突然切ることになったもの)の

日帰り手術の日も、

風邪の日も練習を休まなかった。


そして、自分の強さにちょっとびっくりした。


また、練習の中で、

本物っていうか“生”、生きていることのすごさ、声は生きているんだ!

人は人からエネルギーをもらって強くなれるんだと感じた。


途中、声が出なくて、聴くばっかりの時には、

『動』の練習から、『静』の練習ができた。

逆境の中で人は成長すると聞くけど、

そんなことがちょっとわかったような気もした。



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以上が20代前半に書いたつぶやきです。


人生の中で、無性に、新しい事に挑戦したい時期が、

何度かありまして、

その、ひとつの時期が、20代前半でした。

この時期には、初めて一人旅もしました。


今現在も、挑戦したい時期に差し掛かっているように

思えます。


このつぶやきを書いたあと、

実際に、

協力してくれた職場の先輩をコンサートの招待し、

感動したと言っていただきました。


私も、はじめて、舞台側から、

指揮者の方の表情や観客のみなさんを見て、

何とも言えない高揚感を味わいました。


文章に残していたことで、思い出がよみがえります。


またいつか、第九を歌ってみたいです。

ちなみに、ソプラノで申し込みましたが、

声が出ず、アルトとして参加しました(^_^;)


挑戦って素晴らしい!