涙と笑顔のあいだ

ひといちばい敏感な小学生ひとりっ子男子の子育てを通し、母として成長させてもらいながら「ライター・小説家」になる夢も諦めない40代主婦のブログ

初めての忘れ物

「今日ね、忘れ物しちゃったんだ」

「え?」

 

息子にそう言われて、3年生の通知表で

「一回も忘れ物がありませんでした。素晴らしいです」

担任の先生に、そう褒めてもらったことを思い出した。

 

褒めてもらいながら、ああ、忘れ物しないように私がサポートしすぎちゃったかな? っていう反省もあった。

 

そんな中の息子の発言、ドキっとした。

 

「何忘れちゃったの?」

「絵の具」

「あ」

 

サポートしすぎちゃったかな? って反省はしたものの、意図的に手を抜くことはできず、絵の具もランドセルの横にしっかり置いたつもりだった。

「忘れないようにね」

昨晩はそう言ったけれど、今朝は、息子も私もすっかり忘れてしまった。

 

毎朝、近所の同じクラスの友達との待ち合わせ場所は、家の目の前だ。

だから、彼女が持っているものを毎朝みて、

「あ、これ、持って行くんだった!」

と玄関に戻る時も時々あった。

今日は、その子が休みだった。

 

私のサポートだけではなくて、彼女の助けもあっての、忘れ物ゼロだったんだな。

 

「それで、大丈夫だったの? 絵の具はどうしたの?」

「今日、絵の具使わなかった」

「そっか。先生には言った?」

「うん」

「図工の先生? 担任の先生?」

「両方」

「なんだって?」

「次は持って来ましょうって言われた」

「そっか」

 

繊細な息子だから、もっと落ち込んでいるかと思ったら、意外に普通に話してくれてちょっとホッとした。

 

それでも

「ああ、初めて忘れ物しちゃった」

呟くように言ったから、ああ、やっぱりショックだったんだなって思っていたら

「忘れ物したら、忘れ物した人の気持ちが初めてわかった」

そう言った。

「え? そうか、どんな気持ち?」

「ああ、みんなが持っているもの、俺は持っていないなって寂しい気持ち」

「そうか。じゃあ、忘れ物しないように、どうしたらいいか考えてみようか?」

「うん」

 

失敗をすること。それを嫌う息子。

私も、「失敗は経験」って言いながらも、やっぱり怖い。

 

だから、うっかりしちゃって、忘れ物しちゃったことは、よくないことかもしれないけど、息子にとっても、私にとってもいい経験だったんだと思う。

 

「忘れ物したら、忘れ物した人の気持ちが初めてわかった」

そんな風に言った息子の成長を感じて、ちょっと嬉しかった。

 

そして、きっと、次は忘れないと思う。