今朝、息子が体調を崩した。
そう言えば、昨晩、お腹と頭が痛いと言っていた。
眠りも浅かったようで、何度か起きてトイレに行っていた。
今朝「お腹が空いてお腹と背中が痛い」と言った後、ちょっと気持ちが悪くなってえづいたけれど、
「学校には行きたいから、遅れて行くことにしたい」
と言った。
しかし、熱を測ったら37.2度あった。
熱がなければ、遅刻でもいいと思ったけど、熱があったらやはり休んだ方がいいと思った。
けれども、息子は涙目で、
「午後の音楽鑑賞会には行きたいんだ」
と言った。
そうなのだ。
今日は息子が楽しみにしていた音楽鑑賞会の日だった。
プロのオーケストラの方々が区の5年生をホールに招待してくれた特別な日だったのだ。
「その日行けるように体調に気をつけておこうね」
そう言って、ここまで何ヶ月も元気でいたのに……。
息子はさぞかし無念だろう。
短時間では納得できいない状況だろう。
私は少し考えて
「わかった。じゃあ、一旦、『頭痛のため様子見てから登校します。もしも、登校する場合は、音楽鑑賞会に出発する時間までに行くようにします。悪化して、行けないようであれば連絡します』にしとくね」
と言って、連絡帳を書き学校へ持って行った。
学校から私が帰ってきて、熱を測ると、また少し上がっていた。
37.7度。
「やっぱり無理かな……。行きたかったな……」
息子はそう言って目を潤ませていた。
「そうだよね。行きたかったよね。あんなに楽しみにしてたもの」
そういうしかなくて、ただただ手を握った。
「もし、行けなかったら家でクラシックを聴くよ」
息子がそう言ったから、私は
「そうだね。それから、もしよければ今度お母さんとクラシックのコンサートに行こうよ。お母さん、結構好きで行きたいんだけど、まだ君には早いかな? と思って遠慮していたところもあるから、もし一緒に行けたら嬉しいよ」
と伝えた。すると、ちょっとだけ息子の顔に笑みが戻った。
38.2度。
いよいよ熱が上がったきた。
「やっぱり今日は諦める。このまま行って、移動の時に電車の匂いで気持ちが悪くなってしまうかもしれない。そうしたら、辛いから」
「そうか。わかった。じゃあ、今日は休むことを連絡するね」
「うん」
そんな会話の後、息子は少し眠り始めた。
楽しみにしていた息子には本当に気の毒な出来事だ。
ずっと元気だったのに……。
滅多に具合悪くならないのに……。
なんで今日なんだろう。
私までそう思う。
だけど、そんな日もあるんだね。
なんで? って思うような理不尽なことって、あるんだよな。
本当はね。
今日は、私も楽しみにしていた勉強会があって、息子に熱があるとわかった時に、当日のキャンセルで申し訳なかったけれど、講師の方に連絡したんだ。
それに、明日、息子がもしかすると、もう一日学校を休むかもしれないから、楽しみにしていた美容院の予約も別の日に変更したんだ。
今週の前半だったら、来週だったら、特に用事がなかったのに、なんで今日なんだろう、明日なんだろうって思うんだ。
思うけど、あからさまに
「あーあ」
って言えないのも地味に辛い。
だからここで吐き出させてもらいたい。
勉強会に参加できなくて、美容院を延期することになって、残念だったわ!
悲しいわ!
悔しいわ!
だけど、そうは言っても、やはり今大切にしたいのは息子のことだから、ドタキャンを受け止めてくれた講師の方と、予定変更を受けてくれた美容師さんに感謝をしつつ、傷心の息子と私が、できる範囲でいい一日になるように、気持ちを切り替えて過ごすしかない。
午後には、いつもお世話になっている病院が休みだから、別の病院に行ってみる予定なのだけど、不安もある。
だけど、診てもらうことができることに感謝をしよう。
マイナスの感情や、傷ついた心をなかったことにするのではなく、しっかりと味わい、その上で、最善を尽くし感謝しようと思う。