連日、本の読後の記事ですが、この本もとてもよかったので、ブログを書きたくなりました。
今日、めちゃくちゃスピーディーに読めちゃった本は、この本。
『思わず考えちゃう』ヨシタケシンスケ・著 新潮社
2019年3月末に発売したようですね。
確か発売日くらいに本屋で見かけて「欲しい」と思ったんですが、他の本を読むことを優先させてしまい買いそびれていました。
いつも行く本屋では見かけなかったので、ちょっと忘れていたのですが、今日、久しぶりに隣町の本屋に行ったら再会しましたので、買うことにしたのです。
今日見たら、すでに「3刷」になっていました! さすがです!
ヨシタケシンスケさんの本は他の本も好きです。
『あるかしら書店』も大好きです。
『ヨチヨチ父 とまどう日々』も持っています。
この本『思わず考えちゃう』は、「はじめに」に書いてあるのですが、ヨシタケシンスケさんが講演会などをやった時に、本編が早めに終わってしまい、余った時間に披露した「普段、勝手に描いているイラスト(スケッチ)を何枚か見ていただいて、そのイラストに対するコメントをしていく」ものを集めたものらしいんですね。
「本編よりもそちらの時間帯の方がお客さんに喜んでいただけることが多かった」らしく、この本が生まれたそうです。
そのエピソードを読んだだけでも笑顔になれて、ワクワクしました。
この本文字通りヨシタケシンスケさんの「思わず考えちゃう」話がイラストを交えて描かれているんですが、「え? その発想はなかった」というものから「あ! わかる! 私もそれ考えたことある!」まで様々でグイグイ引き込まれました。
さらに好感が持てるのは、ヨシタケシンスケさんのちょっと心のブラックな部分も惜しげもなく描いてくれているところです。
もちろん、ブラックなところの方が少なくて、優しい目線が多く、そこにもキュンとします。
それで、私は今絶賛「自己肯定感を高めようと努力中」なのですが、この本を読んで、少し自己肯定感が上がった気がしたんです。
それはなぜかということ、ヨシタケシンスケさんの描く世界というのが、決して綺麗事ばかりではないからです。
そうかと言って人を傷つけるわけでもなく、人間ならば思うであろうちょっとずるいことやできれば変えたいのに変えられないこととか、弱さとか、そういった「どうしようもない」ことが描かれていたり、あるいは、本当にしょうもないことが描かれていたりします。
そんなヨシタケシンスケさんの描く世界が私は好きで、私の周りにもヨシタケシンスケさんの描く世界が好きな人がたくさんいるのです。
なぜ好きなんだろう? って考えてみると、そういった弱さとか、ともすれば欠点のような凸凹したところが好きなんだと思うんです。
だから、この本を読んでいると、「自分の中の弱いところ、よくないと思っているところ」を含めて人間なんだと思え、また、そういった欠点を愛おしく思ってもいいんじゃないかと思えてきたんですね。
この本、全体的にいいんですが、特に「第3章 ねむくなるまで考えちゃう」がとてもよかったです。
“できないことをできないままにするのが仕事”とか“あなたのおかげで私はとうとうあなたが必要なくなりました”とか、もう本当にいい!
何かの本で、「自己肯定感」ってずっと上がったままとか下がったままじゃなくて、上がったり下がったりするものだと知りました。
もしそうだとすれば、この本を読んでいる時に何度も「自分の中の弱さやダメだと感じている部分のこと」を少し愛おしく思えたんです。
そして、完璧でない私と一緒にいてくれる家族や仲間たちに感謝の気持ちが湧きました。
そうしたら、とても心がポカポカしたんです。
だから、その瞬間は「自己肯定感」が上がっていたんじゃないかな? って感じたんですね。
そのことがとても嬉しいです。
本の帯に「あわよくば、生きるヒントに。」と書いてありました。
私の生きるヒントにまんまとなりましたよ。
ヨシタケシンスケさん、ヒントをありがとうございます!