涙と笑顔のあいだ

HSC(ひといちばい敏感な子)中1ひとりっ子男子の子育てを通し成長させてもらいながら、日常のモヤモヤの純度を上げるべく綴る40代主婦のブログ

初めて働いた会社仲間の女子会で「HSC」について語ってみて感じたこと

昨夜は、懐かしい人たちと会った。

私が最初に社会人としてお世話になった銀行の支店の仲間だ。

 

私は銀行で働いていた12年9ヶ月の間に2回転勤して3店舗経験したのだけれど、その1店舗目の4年半一緒に働いていた同期先輩後輩パートスタッフさんたちが12名集まった。

全員女性。

だから昨日は女子会だった。

とはいえ、みんな40代から60代!

でも、みんな約20年前とあんまり変わらなくて、イキイキとしていていた。

みんなと話していると嬉しくて楽しくて、あっという間に私も20代の頃の気持ちに戻れた気がした。

 

「あの人は今どうしている?」

「今は〇〇部にいるよ」

「あの時こんなことがあったよね」

「わーよく覚えているね!」

 

半分以上の人はもう銀行を辞めているけれど、何人かは引き続き正社員として働いていたし、パートスタッフとして銀行に戻ってまた正社員になった人もいた。

店内結婚して旦那さんが銀行員という人も多かったので、当時一緒に働いていた男性が今どの部署にいるのかという情報を結構知ることができた。

そんな安否確認の中、当時一緒に働いていた仲間の数名が亡くなった話も聞いた。

その中には、当時とても優しく接してくれたパートスタッフさんの名前もあった。

 

その瞬間まで長い間思い出さなかった昔の記憶が、色を持って思い出されてきた。

コスモス畑の近くだからとご自宅に呼んでくれて、手作りのパンでもてなしてくれたこともあった。

仕事でミスして落ち込んでいた時に、「大丈夫よ」と笑顔で励ましてくれた時もあった。

 

人は出会いと別れを繰り返しながら生きているので、すごくいい思い出を残してくれた人とも必ずしも長い付き合いになるとは限らない。

毎日のように会っていた素敵な人でも、退職とか転勤とかで別れてしまうと、なかなか定期的に会う関係性が築きにくい人もいる。

 

私の中でそのパートスタッフさんはそんな感じの人だった。

でも出会えたよかった。

改めてありがとうございますという気持ちが生まれた。

 

そのあとの話は、中学、高校、大学受験の話とかが多く、小4の息子をとりあえず公立の中学校に行かせる予定の私にとっては、別世界の話に感じた。

 

全然胸がざわつかなかったと言っては嘘になる。

中学受験を視野に入れていないことが少し後ろめたくなるくらい、ほぼ全員が私立に行かせているという話だったから。

でも、今の息子を見ていると、受験勉強をするという感じではないと感じるから、とりあえず、話だけ聞いていた。

 

それからなんかきっかけで、ちょっと話をしてみようと思ったことがあった。

それは、今参加している「HSCの書籍制作プロジェクト」のことだった。

 

しかし、私はそこで衝撃を受けた。

HSC(ひといちばい敏感な子)という言葉を多くの人が知らないのは予想できていた。

しかし、その概念が書かれた本を日本語に翻訳している明橋大二先生のことを説明するのに、「子育てハッピーアドバイスというシリーズの子育て本を書いている人なんだけど……」と説明をしたのだけれど、そのシリーズ本を誰も知らなかったことは予想できていなかった。

 

あとで調べたところ、このシリーズは2005年に初版が出ているので、昨日集まった人たちのお子さんは中学生高校生が多かったから、お子さんが小さい時にはまだなかったことがわかったので納得はできた。

 

それから、HSCについて「5人に1人はいる」と言ったところも、ポカーンとされてしまって、完全アウェイだった。

 

アウェイの空気感の中で、自分が伝えたいこともわからなくなってグダグタになってしまったのだ。

 

別に、嫌な顔をされたわけではない。

でも、関心は残念ながらほぼもたれなかった。

 

そこで、私は、「困り感がない人にとっては、やはりスルーされてしまうことなんだ」と実感した。

 

一人だけ

「今まで気づかれていないだけで、実はチェックしてみたら、『私もそうだった』という人はいるかもしれないね」

と言ってくれたのが救いだった。

彼女は今保育士の仕事をしていると話してくれた。

 

そこで私が感じたのは、HSCを広めるにあたり、「伝えたい人によって伝え方を変える必要がある」ということだった。

 

子育て中の人で、困り感がある人には、「HSCは5人に1人いて、悩んでいるのはあなただけではないよ」

ということを伝えたい。

「困ったことがあったら、周りの人に助けや配慮を求めてもいいんだよ」

「『合理的配慮』という言葉もあるから、学校で先生にも対応を求めてもいいんだ」

と伝えたい。

 

育児や教育に関わる大人たちには、

「HSCという気質の子がいるから、そういった子供がいたら、ぜひ配慮してほしい」

と伝えたい。

 

そこまでは、伝えたいことが比較的はっきりしているんだけれど、そういったことにあまり関係のない人に伝えるメッセージが自分の中でまだ確立していないんだということに気がついた。

だから、メッセージの力が込められず、うまく伝えられなかったんだ。

 

実際に、世の中の多くの人にHSCやHSPの概念を知ってもらいたいと思っている。

知ってもらって、個性を尊重したり、配慮もしてもらいたいと思っているのも事実だ。

 

しかし、一方的に「配慮してください」というだけでは受け入れられにくいのではないかということを改めて感じた。

 

そこをどう切り開いていくかが、それぞれの個性が大切にされてみんなが生きやすい世界に繋がるのではないだろうか? と、まだ答えは見つからないけれど思った。

 

昨日の女子会は、楽しく笑って過ごしながらも、モヤモヤがたくさん生まれたとても有意義なものだった。

 

これからそのモヤモヤとじっくりと向き合って考えてみたい(^-^)