どうして、あの頃、あんなにも、自信満々で、悟りきったように振舞っていたのだろう……。
小学生、中学生だった頃の私は、傲慢で、正義感を振りかざし、自分はとても正しいことをしていると思い込んでいた。
なぜ、大人たちは、何が正しいのかわかってるはずなのに、それをしないのだろう? と本気で思い、それを口にさえしていた。
あれから、大分、年月が経って、大人になった今ならわかる。
大人が、必ずしも、正しいことをしないことを。
正しいとわかっていても、できないことがあるんだ。
正しいことだけが正解ではないとわかってしまったからなんだ。
だけど、それが、わかったのがいつかは、よく覚えていないんだ。
もしも、あの頃の私に会うことができたら、今、私はなんと声をかけるだろうか?
うまく声をかけられるかどうか自信はない。
でも、そのまっすぐな気持ちは大切にしつつ、もう少し、もう少しだけ、人のことを許す人になってほしいと思う。
人を許すと共に、自分のことも許してほしいなって思う。
あ。
でも、あの頃、私の周りに居た大人たちは、苦笑いをしながら、小さな私を、温かく見守り、許してくれてたんだなぁ。
だから、私は、のびのびと生き、ゆっくりと、成長できたのかもしれない。
大人になったはずの今も、気づかないことだらけで、失敗ばかりしている。
だけど、立ち上がり、歩き続けられるのは、あの頃があったからだ。
気づくことで、成長できるのだとしたら、まだ私は成長できるかもしれない。
あの頃の私に、そして、周りの人たちに、ありがとうを言おう。