今週の水曜日、息子のスイミングのテストだった。
先週は体調不良で、スイミングを休んでしまったから、朝から、不安がっていた。
だから
「テストの日には、体調とか、気持ちの問題とかで、みんながみんな、いつもの力が出せるとは限らないものだよ。だから、『絶対に受からないといけない』って思い詰めずに、その時できることを精一杯やればいいよ。受かったら素晴らしいし、そうでなくても、それはそれで、また頑張ればいいと、お母さんは思ってる」
と、言ってみた。
少し気持ちが落ち着いたようで、学校に行き、帰ってきてからも、さほど、嫌がらずスイミングに行った。
最近は、練習している姿をあまり見ていなかった。
見ていると、凝視している自分に気づいて、ちょっと怖かったし、よくわからないのに、もっとこうした方がいいとか、ああした方がいいとか、つい言いたくなってしまうからだった。
それに、小一時間、一人でお茶したり、本を読んだりして過ごしたい気持ちもあった。
久しぶりに、息子の泳ぎを見ると、クロールについては、ちょっと物申したくなったけれど、背泳ぎは、とても美しかった。
これは、ひょっとして、合格するんじゃ?
にわかに色めきだってしまって、ハッとした。
私が必要以上に興奮してはいけないよなって思った。
何度か練習をすると、テストの記録をするためのカードを持ったコーチがプールサイドに立った。
いよいよ、テストが始まる!
順番に、ひとり一人泳ぎだした。
息子の番が来た。
コーチの合図に小さく頷いた息子は、先ほどの練習と同じくらい、綺麗なフォームでどんどん進んでいった。
途中、コースを分けているロープのようなものにぶつかりそうになりながらも、どうにか25メートル泳ぎ切った。
いいんじゃない?
そう思ったのに、コーチが何やら、ジェスチャーをし、注意しているようだった。
ダメなの? これでも? そうか……。
プールサイドを歩いて戻って来た息子の顔は笑っていなかった。
ああ、もう2ヶ月背泳ぎの練習か……。
まあ、仕方ないか……。
その時は、もう完全に、ダメだと思っていた。
しかし、全員が泳ぎ終わると、コーチが、もう一回全員を泳がせ始めた。
え? テストって一回勝負じゃなかったっけ?
今までのコーチは、1日に一回しかテストをしてくれなかったので、一瞬目を疑ったけれど、確かに、2回ずつ泳いでいた。
息子の番になった。
コーチは、息子に、手のひらの向きを注意するように遠隔で指示を出し、息子はエアでそれをして、また、小さく頷いた。
そして、スタート。
先ほどよりもさらに美しいフォームで、泳ぎ切った。
そして、見事に、背泳ぎ、合格した!
やった!
クロールが泳げるようになるまでは長かったけれど、クロールが合格してからは、結構早かったように感じた。
ロッカーから出て来た息子が笑顔で合格証を差し出して来た。
「おめでとう! よかったね!」
「うん! 俺、頑張ったよ! 」
息子は、丸4年スイミングククールに通って、今、5年目に入っている。
ようやく、クロールの次の段階の背泳ぎが合格し、次週からは、平泳ぎに入る。
時間でいうと、人の何倍もかかっているけれど、嫌がり泣きながらも、通い続け、のし超えて来た道のため、息子にとっても私にとっても学びが多い。
来週からは、1時間遅い時間からのスタート。
知り合いも何人かいるみたいだ。
来週の水曜日、もしかしたら、また、今までと違った困難が待ち受けているかもしれないけれど、それでも、どうにか、4年を乗り切って来た息子と私だから、きっと大丈夫なはずだ!
これからも、応援しようと思う。