もうすぐ息子の冬休みも終わります。
やろう! やろう! と言いながらできていなかった「書き初め」の清書も、「古い道具調べ」という社会の課題も、今日やらないと、最後の連休がまたバタついてしまうと思ったので、朝から気合を入れて声かけしました。
その甲斐あって、午前中に「書き初め」の清書ができました。
4枚中2枚書くようにして、後の2枚は、明日か明後日やろうという約束を息子とし、おしまいにしました。
あ! 散髪もするんだったっけ!
もうすぐ、冬休みも終わるから、きっと混んでるだろうな。
待つのを覚悟して、近くの1000円カットのお店に向かうと、拍子抜けするほど空いていました。
誰も待ってなくて、スタイリストの3人がおしゃべりしていたのです。
いつものように、息子の髪型をリクエストしました。
一息ついて、スマホをいじっていると、あっという間に終わりました。
「空いていてよかったね!」
そう言いながら、もしかすると、年末の方が混んでいるのかもしれないと思いました。
その後、近くのショッピングパークに寄って、日用品を買ったり、銀行のATMに行ったりしたのですが、その時の息子の何気ない気遣いに驚いたのです。
少し足が悪いのか、ショピングカートを杖代わりにして移動している年配の男性が私たちの前を歩いていました。
そして、押して開けるタイプの扉を片手で押して、開けきらないうちに、カートでその隙間をこじ開けながら通っている姿が見えたのです。
あ。
私も、なんだか大変そうだなって思っていました。
だけど、だいぶゆっくり歩いていらしたので、私たちが普通に歩いていたら、追い抜く形になったのです。
そして、その先に、もう一つ、先ほどと同じような感じの扉がありました。
ここ通るかな?
私も、なんとなく気にはなったのですが、正直、また、ちょっと大変だと思うけれど、もし通るのであれば、どうにか一人で通れるだろうと思いました。
しかし、息子は違いました。
「ここさ、ドア、開けといた方がいいから、開けておこうよ」
そう言ったのです。
「え?」
一瞬驚いて聞き返すと
「だって、大変そうだったから、ドア開けるの」
そう言っていました。
「ああ、そうだね」
そう息子に同意して、扉を開け放ち、男性に会釈してその場を去りました。
ドアを持ったまま待とうかとも思いましたが、返って気を遣わせてしまうかもしれないと思い、そのまま去ることにしたのです。
息子は時折振り返っていました。
そして、男性が、楽そうに通るのが小さく見えるのを確認して、満足そうにしていました。
ああ。
優しい子に育ったな。
よかった。
冬休みで、息子と同じ空間で過ごす時間が長くて、お互い不満だらけだけれど、こうして、他人に優しくしている姿を見ると、なんだか、誇らしく、スッとした気持ちになるから不思議です。
それとともに、私も、人として、もっと磨いていかないといけないなと襟を正しました。