《「電話番号が変わった」「風邪をひいている」は振り込め詐欺です》
地元の、お年寄りのお客さんが多い信用金庫のATMに貼り出されていたメッセージ。
電話番号の変更はともかく、「『風邪をひいている』は詐欺」という言い切りに対して、「いや、絶対じゃないだろ」と思いながらも、注意喚起には成功してると思った。
嘘が苦手な私は、フィクションの世界を作り出すことも、やはり苦手だった。
それでも、「ついていい嘘」と自分の中で捉えて、少しずつ作り出せてはきたけれど、やはり、どこかでその創作物を疑っているのかもしれないと思う。
今まで、ライティングの師匠にいただいたアドバイスはたくさんあって、その都度、図星なだけにガツンとやられてるけど、昨日のそれは、その中でもさらにグサっときた。
【作者自身が、作り出した世界に深く入りきれてない。
だから、読者も引きつけられない。
どこまで自分が描く世界に真剣になれるか】
ああ、そうかもしれない。
自分が作り出した、その世界の存在を、本当の意味で信じていたとは胸を張って言えない。
目的。
例えば、振込詐欺を減らす、あるいは、なくすためには、言い過ぎかもしれない嘘が効果的なように、小説を書く場合は、なにかを伝えるため、あるいは、読者を楽しませるために、嘘を使うんだ。
そして、それを信じ込むこと。
あるいはというか、エンタメ小説に関しては、読者を楽しませるため一択なのだろう。
そこの徹底が足りないんだなと、わかったつもりだったけど、今日また、思った。
「わかったつもり」と「わかった」も、違うし、「わかった」からといって、すぐにはできない。
だから、書くしかないんだな、やはり。
書こう。