のつづき…
息子は不機嫌なまま
しぶしぶ宿題の音読を始めました
声が途中で詰まったり
涙声になったりしながらどうにか読み終わりました
「あーあ、スイミング行きたくないなぁ…」
「とりあえず、ドリルやっちゃおうよ!」
変な間がありすぎて
つらい思いが募ってしまうのではないかと
息子の不機嫌さに気づかないふりをしながら
促しました
いつもより乱暴な字だったけれど
どうにか国語と算数のドリルを一枚ずつ終えて
ごろっと横になりました
たまたまそばにあったプラレールのおもちゃを
少し乱暴に扱いながら
「コーチが変わったらスイミングいやになったよ。
もう辞めたい」
といって泣き出しました
「辞めちゃうとさ
今までがんばったのにもったいないよ。
水が怖かったところからさ
がんばったら今は怖くなくなったじゃない」
「……」
「小学校ではさ
最終的にはどんな形でも
25メートルは泳げないと
いけないみたいなんだよね。」
「……」
「いま辞めちゃうとさ
何年後かに
あんまり好きじゃないっていう
あの冷たい学校のプールで
ひとりで練習しないといけないんだよ。
みんな泳げるようになって
自分だけ泳げなくてもいいの?」
「……」
今まであまり
脅したりだましたりしたくなくて
今回もこういう言い方ってどうかな?
と思ったけれど
可能性として伝えるんだと
言い聞かせて言ってみました…
すると息子はさらに泣いていました
とりあえず私はその場から離れて
やりかけの風呂場の掃除をしました
風呂場から戻ると
息子は大きなため息をつきながら
「水着に着替える」と言って
準備し始めました
ところがまたつらくなったようで
顔を両手で押さえて泣き出しました
「新しいコーチさ
いいコーチかもしれないよ。
前にコーチ変わったときも嫌がっていたけれど
結果的には変わってよかったって
言ってたじゃない?
『どうなるかわからない』っていう今がさ
一番不安でつらいんだと思う。
だいだいが想像よりも実際の方が
なんてことなかったってことが多いと
思わない?」
そう言うとちょっと考えたのか
間があってうなずきました
「お母さん、応援してるからさ
がんばって」
何とか家を出発しました
ロッカーには
とりあえず私も一緒に入りました
今日はどれくらい泣いて
どれくらいハグすることになるかな?
少し気は重かったけれど
今日はどうにかキレずに付き合おうと
決めてきました
すると
息子はため息をつきながら準備し
目に涙は溜めていたけれど
号泣はせずにハグを何度かしただけで
意を決したように
「行ってきます」と言って
プールに向かいました
戻ってくる様子もなかったので
2階の見学席に行き椅子に座っていました
体操するときに
いつものように
場所取りに手こずっていたようだけど
私を目があうとにこっと笑ってくれました
すごくうれしかったです
その時は実は
まだどのコーチかわからず
ドキドキだったんだと思います
その後コーチがわかり
あまり知らないコーチだった
みたいだったけれど
どうしても好きになれないコーチではなくて
安心したようでした
実際に練習が始まったら
いやな感じはなかったみたいで
遠くてよく見えなかったけれど
泣いてはいませんでした
最近はやってる場所も見学席から見づらくて
真剣に見てなかったけれど
昨日は、凝視してしまいました
泣かずにちゃんと参加してるだけで
御の字のはずなのに
一つクリアできると
「あれができてない。
こうすればイイのに。」
がムクムク顔を出し始めました
息子の様子を心配してくれたママ友が
「どう?」ってラインをくれました
落ち着いている様子を伝え
練習して欲しい背浮きの練習の時に限って
トイレに行ったよ
と愚痴ったら
「今日のところは大目に見てあげてよ」
と言ってくれて
ハッとしました
気づかせてくれた友だちに感謝して
「よく頑張ったね💕」
と言おうと決めました
レッスンの時間が終わり
ロッカーから出てきた息子の眼は
キラキラ輝いていました
またスモールステップだけど
こうして本人にも以前の自分と比べて
できるようになったことを確認させながら
ちょっとずつ
自信がついていくのかもしれませんね