本当は、今日、明日と、家族で旅行に行くはずだったけれど、台風が接近しているため延期した。
思ったよりも、雨の振り出しが遅く、時々晴れ間の出る空を見上げては、なんだか時間を無駄にしたような気がしていた。
二日前に変更したから、キャンセル料もバカにならなかったし……。
そうだ! こんな時は、読書しよう!
本屋でパートをしていながらも、バックヤードで事務をしたり、店舗間を移動したりする時間が多くて、店頭に立つことは少なく、家に帰ってからも何かと忙しい日々。
本に近づいているようで、働く前よりも遠のいている気がする……。
これでは、少々もったいない。
そう思って、先週から、気になる本を買って、できるだけ読もうと思ったところだった。
できれば、働いている書店で買うことができたら、売り上げにも貢献できるし!
しかし、昨日は、近所の本屋の店頭を通りかかって、衝動買いしてしまったのだ!
次の出勤日まで待てなかったのだ!
その本とは!?
『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』 花田菜々子・著 河出書房新社
衝撃的なタイトルの帯を見て思わず立ち止まった。
“たちまち重版”と書かれていて、きっと本当に面白んだと感じた!
早速読み始めると、著者の実録私小説で、リアイティもあり、どんどん惹きこまれていた。
本の中で紹介される本も、一冊一冊興味深く、読みたくなった。
また、いろいろな人と出会うことによって、著者が成長し、心が整理されて行く様を読み進むうちに、自分の心も、不思議と落ち着いて来るのを感じた。
私が一番好きな箇所はここだ!
まず、その人の魅力を語る。感じた魅力と紹介する本を言葉でつなぐ。その本がその人に何をもたらしてくれるかを伝える。
そうすれば「まだ読まれていない本」もその人のいつかのためのお守りになってくれる気がした。
ひょんなことから、書店業務に携わっている私。
しかし、文章を書くことが好きなくせに、読んでいる本は少ない。
そのことに少しの気後れも感じていた。
でも、本が好きなことは確かで、本がたくさんある場所で働けていることも嬉しい。
なりたい自分の具体的なイメージがまだできていなくても、ぼんやりとでも「ああ、こんな風に上手に考えが伝えられるようになりたいな」「わー! 綺麗な写真だな!」って、日々、店内を通り過ぎながらも、本の装丁やタイトルからも刺激を受けているのかもしれない。
本との関わりかたは、本当に人によって様々。
でも、本をきっかけに人の心に触れることができることって結構多いと思う。
花田菜々子さんという書店員さんが書かれたこの本のおかげで、「本」のことも、「人間」のことも、もっと好きになれて、自分の明日も楽しみに思えるようになれた気がした。
面白真面目(おもしろまじめ)な本著。
悩みがある人や、クスッと笑いたい人にもおすすめです!
出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
- 作者: 花田菜々子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/04/17
- メディア: 単行本
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