「ひとしきり泣いた後、何かのスイッチが入ったみたいでさ、気持ちを切り替えて塾に行ったんだよね! 上とは違う」
息子の同級生の女の子が、宿題が思うようにできなくて悔しくて泣いた後、頑張って塾に行ったのだと、ママが言っていた。
女の子にはお兄ちゃんがいて、彼は、感受性が高く、優しくてとても素敵な男の子だ。
けれど、うん、少しダメージを受けやすいところが、確かにあるかもしれない。
だけど、少し息子に似ているところがあって、親近感もある。
息子と同級生の女の子は、とてもよく気がついて、優しい上に、精神的に強く、たくましい。
ママは「負けず嫌い」と称している。
うん、確かに、そんな感じもする。
できないことも、できるまで練習したり、流す涙は、悔し涙のような気がする。
「ちょっと強すぎる気もするんだよな」
ママは、そんな風に言っているけれど、いいなと思う。
正直、羨ましい。
「でも、お兄ちゃんも素敵だよ! 比べないで、それぞれのいいところを認めよう!」
そんな風に言って、その場は別れた。
「負けず嫌いかあ……」
そうつぶやいて、ああ、私もそんな感じかもしれないと思った。
母も私のこと「負けず嫌い」と称していたかも。
今日のあれも、もしかしたら、「負けず嫌い」が出ていたかな?
我が家の玄関の上がったところの端は、ちょっとした物置になっている。
本当は、あまり物を置かない方がいいと思いながらも、確かに、物が置いてある。
せめて、綺麗に置いておくべきだと思いながら、あまりにも雑然としていて、そのことを後ろめたく思いながら、見て見ぬ振りをしている状態だ。
だけど、いよいよ片付けないと! と思って、今朝、言葉にしてみた。
「今日こそは、玄関を片付けるぞ!」
すると、息子は
「そんなこと言って、絶対にやらないでしょ?」
と言った。
一瞬、ムカッとした。
「そうとは決まってないよ!」
ムキになって私は言った。
なんだか、絶対に片付けたい気持ちになったのだ!
今日も、色々やることがあったので、すぐには手をつけられなかったのだけど、いつものように、どうしようか? と迷った時に、「今日は絶対にやろう!」って思えたのだ。
多分、「負けず嫌い」が出たのだと思う。
息子に「ほら、やっぱりやらなかったじゃん」って言われたくなかったのだ。
思い切って片付けると、スッキリした。
もっと早くやればよかったな。
悔しい思い。
できれば、あまりしたくないけれど、もしかすると、私みたいなタイプは、それが原動力になるのかもしれない。
エンジンがかからない時に、大いに「負けず嫌い」という特徴を生かしてみると、思わぬスイッチが入って、グンと伸びるかもしれない!