小学3年生の息子は、算数で「2けたのかけ算」をやっています。
かけ算の筆算です。
正確には、まだ、学校では、やっていなくて、契約している通信教育の教材に出ていたところなのですが……。
我が家では、息子は、学校の宿題は、ひとりでやります。
そしてその後に、私が目を通し、間違っている場所を指摘し、やり直しするように声かけはしているのですが、通信教育の教材は、私が側について一緒にやっています。
もう小学3年生だし、そろそろ答え合わせだけでもいい時期かもしれませんが、そもそも、あまり乗り気じゃないので、どうにか、雰囲気を盛り立てて、取り組ませている実情です。
一週間くらい前に、教材に、この「2けたのかけ算」が登場し、いつもの通り、一緒になってやっていたのですが、説明文を読んでも息子が理解していなかったので、私の方も、「なんでわかんないの?」という言葉は辛うじて飲み込みながらも、少し声を大きめにして、説明をし続けました。
「わかった?」
「……」
「とりあえず、問題解いてみよう!」
努めて落ち着いて話しかけたつもりでしたが、イライラが言葉に乗ってしまったようでした。
息子は泣き出してしまったのです。
もう一回、説明すればわかるかな?
そうも、思いましたが、いや、今、説明を続けても、いいことはなさそうだと判断し
「わかった。じゃあ、学校で先生の説明をよく聞いてきてね。今日はおしまい」
そう言いました。
息子は、ホッとしたように頷きました。
私としては、不完全燃焼で、気分は悪かったのですが、これ以上無理強いして、息子が算数を大嫌いになってしまうのは本望ではないので、堪えました。
でも……
「学校で、かけ算の筆算出てきた?」
「ううん。まだ」
「そう」
ここで、待てれば、私も成長したということなのでしょうが、気になって、何日かに一回聞いてしまいました。
もう一度だけ、教えたい!
私のわがままですが、もう一度だけ、説明してわかってもらいたかったんです!
だから、今日、息子に提案しました。
「この前の問題だけど、少ない量でいいから、もう一度やってみない?」
「えーやるの?」
渋々でしたが、どうにか、机に座らせることに成功しました。
「これなんだけどさ」
私がそう言うと、完全に目が死んでいて、聞こうという感じがしません。
「もう一回さ、苦手意識持たないで、話聞いてみて!」
ある意味、無茶な願いをしたものです。
だけど、息子は、半分くらい聞こうという雰囲気を見せました。
今だ! チャンス!
私は、できるだけ、ゆっくりと説明文を読み上げました。
「ここまではわかった?」
「うん」
「でね。その次なんだけど」
一通り説明すると、息子が質問してきました。
ああ、そうか、そこで引っかかったんだ。
息子がわからない場所がわかりました。
「これはさ、これとこれを別々に計算したものを、一緒にしたものなんだよ。だから、最後は足すんだよ」
「ああ、そういうことか!」
わかりかけたところで、確認問題を一緒に解きました。
「あ、なんかわかってきた」
「ちょっと楽しくなってきた」
そうか! そうか!
私は、その言葉が聞きたかったんだ! そう思いました。
もう少し解いて欲しかったけれど、やめておきました。
楽しい気分のまま終わらせたかったんです。
これ以上やると、また雰囲気悪くなるかもしれないし……。
親子学習は、あまりよくないとも聞きます。
でも、わからないことがわかって、目が輝く瞬間が見られる時は、すごく嬉しいです。
押したり引いたりしながら、もう少し、一緒に勉強しようかなって思います。