涙と笑顔のあいだ

ひといちばい敏感な小学生ひとりっ子男子の子育てを通し、母として成長させてもらいながら「ライター・小説家」になる夢も諦めない40代主婦のブログ

大雪の後の小さな葛藤

昨夜、雪が降った。

雪が降ると、景色が一変する。

そして、雪かきという作業が発生する。

 

私は、いつも、雪かきに出遅れる。

近所で、率先して、雪かきをしてくれる人は、結構決まっている気がする。

我が家は、自動車を所有していないので、とりあえず、歩ければいいかな? っていう気楽さもあるけれど、結局は、いつも雪かきをしてもらって、ありがたさと申し訳なさを感じる。

 

雪かきは、年に何回かしかないとはいえ、いや、何回かしかないからこそ、結構重要な作業だ。

 

しかし、今日も出遅れた。

 

何年か前の雪の時は、スコップすら持っていなかったから、短めのスコップではあるけれど、ないよりはマシだった。

しかし、出遅れたのは同じだ。

 

近所のママ友が共同住宅の敷地内の通路の雪かきをしてくれていた。

「ごめんね。ありがとう」

そう言って、短めのスコップを持ってほんの少しだけ、やったけれど、まもなく、出勤しないといけなかったので、ほとんどできなかった。

 

帰ってきてからやろうという気持ちと、歩ければいいかな? の気持ちが、同居していた。

その時は。

 

正直、その時は、会社に無事着くだろうか? 会社で、外出が多いけれど、滑らないで過ごせるだろうか? ということで頭がいっぱいだった。

 

いつものカバンからリュックに荷物を入れ替え、ジーンズにジャンパー、作業員の人が履くような長靴を履き、会社内で履き替えられるように、革靴も持って家を出た。

 

滑らないように! 滑らないように!

そればかり考えて歩いていた。

 

しかし、歩きながらすれ違う人の足元をふと見ると、意外に軽装だった。

あれ? 実用性よりも、ファッション性?

 

電車に乗ると、それがますます顕著になった。

あれ? 雪なのに、私浮いてる?

多くの人が革靴か、ブーツ程度で凌いでいた。

ちょっとだけ恥ずかしかった。

 

都会の街に着くと、長靴の人はいるものの、やはり、革靴やブーツの人が多かった。

しかも、都会の人は、おそらく、会社の社員や、お店の店員さんだと思うけれど、朝から一生懸命雪かきをしてくれたていたようで、歩きやすい道も多かった。

 

作業用の長靴の私にアドバンテージがあるのは、横断歩道の水たまりくらいだった。

うん。

革靴だったら、ここは辛いよね。

妙に、満足した。

ここだけは。

 

歩きやすい道ばかりでは、長靴を履いてきた意味を感じづらくなっていた私は、できるだけ、歩きにくい道を選んでいたような気がする。

うん。ここは長靴でよかったよ。

そんな風に小さく存在意義を確かめていた。

 

さて。

どうにかこうにか、滑らずに、家に帰ってくると、ちょっと風邪気味なことに気がついた。

鼻が詰まっているし、少しだけ熱っぽい気がする。

熱を測ると36.9度という平熱が低めの私にとっては、微妙な熱だった。

 

しかし、である。

共同住宅の前の雪かきを、ママ友やその中学生のお子さん、そして、その複数の友達が、やってくれていたのだ。

 

またもや、ありがたさと後ろめたさに包まれた。

 

最初は、小3の息子だけ、外に出して、雪かきの手伝いというよりは、その雪を使ったかまくら作りに参加させてもらっていた。

 

ちょっと風邪気味だし、彼女は、彼女のうちの自動車の出入りのためにやるって言ってるし、中学生の男の子たちもいっぱいいるし、ここは、休ませてもらってもいいのではないだろうか?

 

仕事から帰ってきたばかりで、エネルギー不足だったのもあり、そう思っていた。

 

しかし、しばらくしても、一向に終わる気配を感じず、だんだんとモヤモヤし始めた。

 

最初から参加しなかった自分を悔やんでいた。

 

風邪気味だしさ……でもさ、熱っぽさも落ち着いたよね?

仕事で疲れてるし……ご飯食べたら、復活したよね?

 

手伝った方がいいかな?

でも、最初からやらなかったこと、なんて言ったらいいかな?

 

色々考えて、思い切って、雪かきに合流した。

 

すると、快く合流させてくれてホッとした。

 

あとはできる限り雪かきしよう。

 

一人っ子の息子も、中学生のお兄ちゃんたちと会話をしながら、かまくら作りに参加させてもらっていて、楽しそうだった。

 

だんだん綺麗になっていく敷地と、どんどん出来上がってくるかまくらを見ながら、思い切って合流してよかったなと思った。

 

最後、息子も、かまくらの中に入れてもらえて満足そうだった。

記念写真の隅の方に息子も入れてもらえて、私まで嬉しかった。

 

もちろん、体調が優れなかったりして、作業に参加したくてもできない場合だってある。

そんな時は、申し訳ない気持ちと共に感謝の気持ちを持ってやってもらうしかない。

だけど、今回みたいに、参加するタイミングを逸した時、なかなか合流しにくいけれど、思い切って、後からでも合流することは、合流しないよりもいいのかもしれないと思った。

 

雪かき以外でも、なぜだかよくわからないけれど、タイミングを逸してしまうことって、結構ある。

ああ、やっぱり、参加しておけばよかったかな?

そんな風に思った時は、思い切って、遅ればせながらも、合流する方を選んで扉を叩くと、新しい世界が開けるかもしれない!

 

今日、雪かきをして、すでに、筋肉痛になりかけているけれど、そんなことに気がつくことができたから、よかったんだと思う。