涙と笑顔のあいだ

ひといちばい敏感な小学生ひとりっ子男子の子育てを通し、母として成長させてもらいながら「ライター・小説家」になる夢も諦めない40代主婦のブログ

笑顔だけが喜びの表し方ではないらしい!

昨晩、いつものように息子を寝かせていると、急に咳き込み出した。

半分寝ながらの咳き込みだったので、矯正のためのマウスピースが取れてしまったけれど、もう一度つけさせるわけにはいかなかった。

そして、私は、そのことにヤキモキしていたから、多分、眉間にシワが寄っていたと思う。

 

早く咳が落ち着いて、寝ればいいのに……。

 

あまり思いやりのない気持ちが浮かんでいた。

 

しかし、息子の咳き込みは一向に落ち着かず、とうとう、嘔吐した。

 

ああ。

 

「大丈夫?」

もちろん、そうやって体調を気遣う気持ちもあった。

だけど

「気持ち悪くて吐いたの? それとも咳のせい?」

気づいたら、そう聞いていた。

ただでさえ、辛いのに、半分寝ぼけてもいる息子から、ちゃんとした答えを引き出すことは案の定できなかった。

けれど、翌日の仕事のことで頭がいっぱいになっていた私は聞かないわけにはいかなかった。

 

ああ、よりに寄って、こんな日に。

明日、明後日は、月の中で一番忙しいのに……。

 

そんな風に思いながら、息子の背中をさすっていたら、

「さするの替わるよ」

旦那に言われた。

たぶん、雑なさすり方だったんだと思う。

「あ、ありがとう」

罰も悪かったけれど、正直、助かった。

「タオル洗ってくる」

そう言ってその場を離れた。

 

なるようにしかならない。

明日の息子の体調を見て決めよう。

 

洗面所でタオルを洗いながら、気持ちを落ち着かせた。

 

嘔吐した後は、息子も落ち着いたのか、咳き込んではいなかった。

熱もなかった。

しばらくして、寝息が聞こえてホッとした。

 

そして、朝になり、わたしは早々に尋問した。

「おはよう。体調どう?」

熱を測ったら、それはなかった。

「どこか痛いところない?」

「うーん。頭が痛い」

「それはさ、学校に行きたくない時の痛いのと違う?」

露骨に聞いた。

「その時は、学校に行ったら治るけど、今日のは……」

「今日のは?」

「治らない気がする」

「あ、そう」

あくまでも予想だけれど、本人がそう言うんだから信じるしかない。

「わかった。じゃあ、休もう」

息子を起こす前に、シミュレーションしていたので、葛藤が少なく現実を受け入れることができた。

 

・息子が学校を休む場合

・どうにか学校には行くが、放課後は居残りができない場合

・予定通り、学校に行き、放課後も残って遊んできたもらう場合

 その3つの中で、一番選びたくはなかったものを選んだ。

 

どうにか、職場の人にかける迷惑を最小限に留めるように、明日の会社と今日の家で頑張ればどうにかなりそうだと判断し、お休みの連絡をした。

 

息子は昼前までぐっすり寝ていた。

早く治ってほしい気持ちがあるはずなのに、学校を休んだ後はしばらく具合が悪そうな方が親の気持ちが落ち着くのだからおかしなものだ。

 

そういった意味では、今日は理想的だった。

午前中は寝ていて、お昼から回復して来たからだった。

 

わたしは、明日の仕事の準備をした。

割と捗った。

しかし、それ故に、寝ていた時間はいいけれど、元気になった息子の遊びの相手をする余裕がなかった。

 

退屈そうな息子。

イライラしだす私。

 

そんな時に、スマホがなってラインが届いた。

ママ友からだった。

見ると動画が添付されていた。

「ユウくん、風邪大丈夫? 明日はこれるといいね!」

息子の友だちがぬいぐるみと一緒に写っていた。

そのぬいぐるみは、息子とお揃いのものだった。

最近、一緒に出かけて一緒に買ったカワウソだった。

 

私は感激して

「わー! 嬉しいね」

と息子に話しかけたら、息子は

「うん」

としか言わなかった。

なんだ。嬉しすぎるのは私だけかと思って、ちょっと拍子抜けした。

 

しかし、時間が経ち、もう一度

「あれ、嬉しかったね」

私が、思わず言ったら、息子は顔を歪めた。

「俺、さっき、泣きそうになってたんだ。感動して」

そして、また泣きそうになっていた。

 

ああ、そうか!

感動の仕方って、ひとりひとり違うんだ。

そう気づかせてもらった。

 

「そうだったんだね! 感動するよね」

そう言ってハグした。

 

私は、日々、息子に振り回されている。

一番近い、血の繋がった、だけど、別の人間として、いつも私の深い部分に揺さぶりをかけてくる。

親なんだから仕方ないと思いながらも、厄介だなぁと思ってため息をついてしまう時もあるけれど、居てくれるおかげで、たくさんの気づきをくれているんだ。

与えているようで、与えてくれている存在。

 

生まれてくれて、出会ってくれてありがとうと改めて思った。

 

そうだ!

その気づきのための休みだったということにしておこう!