漫画『君たちはどう生きるか』を読みました。
とても感動し、何度か、涙を流しましたが、読み終わって1日経っても、考えがうまくまとまらないでいます。
児童書という位置づけだし、漫画だし、内容がわからなかった訳ではないのですが、生き方を問われてうまく返答できないからかもしれません。
私は、この話に出てくる「コペルくん」と同じような年の時に、哲学とか、歴史とか、物理学とか、そういったものを通して、しっかり物事を考えていただろうか?
どう生きるか? と、しっかりと考えていただろうかと思い巡らすと、定かな記憶がありません。
ただ、自分なりの正義感を持って、強いものに挑んでいた記憶はあります。
でもそれが正しかったのかどうかは正直言って、わかりません。
大人になって、自分に子どもができると、強さよりも優しさを重んじている自分に気がつきました。
そして優しければ、弱くてもいいと思っている自分もいるのです。
いや、本当は、優しくて、強いに越したことはないけれど、それが弱いからといって、よくないとは言いたくない自分がいるのです。
この本を読んで、たくさん頷き、たくさん共感し、心に刺さる言葉をたくさん見たけれど、この言葉ほど、ぐさりと私を刺した言葉はなかったのです。
ー君も大人になってゆくと、よい心がけをもっていながら、弱いばかりにその心がけを生かし切れないでいる、小さな善人がどんなに多いかということを、おいおいに知って来るだろう。
世間には、悪い人ではないが、弱いばかりに、自分にも他人にも余計な不幸を招いている人が決して少なくない。
人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気塊を欠いた善良さも、同じように空しいことが多いのだ。
君も、いまに、きっと思いあたることがあるだろう。
弱さ……強さ……。
その定義さえ、もう大人になったはずの私にも、よくわからなくなりました。
この本は、若者に向けて、「君たちはどう生きるか」と問うているけれど、私たち、若者とはもう言えない年齢の者にも、「どう生きてきたか? そして、この先、どう生きるのか?」問うのと同時に、「次世代をどう導くのか?」をも 問われている気がします。
今まで正しいと思っていたことが、本当に正しいのか? 正しさよりも大切なことってあるのではないだろうか? そんな風に、日々、自分自身に問い続けなければいけない気がしてきました。
漫画はとても読みやすくよかったですが、もう少し、じっくりと考えてみたいので、小説の方も読んでみようと思います。
息子にも読んでほしい気持ちはありますが、小3なので、まだ少し早い気がします。
家に置いておいて、いつか興味をもって手にしてくれる日を待ちたいと思います。
そして、いつか「どう生きるか」について語り合えたらいいなと思います。