「え? 嘘でしょ?」
Wi-Fiにしたままのはずなのに、iPhoneの画面には4Gと書いてあった。
何もしていない。
したとすれば、iPhoneをアップデートしただけだ。
もしかして、それが原因なんだろうか?
なぜかわからないけれど、とりあえず、繋ぎ直してみよう。
私は、いつものネットワークを選び、パスワードを入れ直した。
パスワードが違います。
あれ? 入力し間違えたかな?
もう一度入力する。
パスワードが違います。
無情にも、同じメッセージが出た。
どういうこと?
「なんか、Wi-Fi繋がらなくなっちゃったよ」
リビングで本を読んでいた旦那に訴えるように私は言った。
「え? そうなの? 俺のiPhoneは繋がってるよ。なんかやった?」
「iPhoneのアップデート」
「そうか」
そう言って、ググってくれた旦那は数分度
「同じようなことで困っている人たくさんいるみたいだよ」
そう教えてくれた。
「そうなんだ! で、直るかな?」
「どうだろう? ちょっと貸して」
ありがたいことに、旦那はパソコンに強い。
しかも丁寧で面倒見がいい。
喜んで、差し出した。
きっとすぐに直ると、その時、私は、安心していた。
だけど……。
「調べてさ、全部試したけど、ダメだった」
「え? 直らないってこと?」
「わからない」
「そんなー」
目の前が真っ暗になった。7月に替えたばかりなのだ。
今壊れては困る。
「ショップに行けば替えてくれるかな?」
「iPhoneが壊れてるわけじゃないから替えてくれないんじゃない?」
じゃあどうすればいいのよ!
そう言いたい言葉を飲み込んだ。
まさか、こんなに自分の時間をつかって対応してくれてる旦那に、怒りをぶつけるわけにもいかず、私は黙るしかなかった。
「あとはさ、無線ルーターのバージョンアップする方策は残っているけど、今は、もう時間ないからできない」
そう言われて、一縷の望みを残したまま、夜を迎えたのが、一昨日のこと。
そして、昨日は、息子の運動会で、家族全員、疲れ果て、バタンキュー状態だったので何もできずに、今日になった。
今日も、金曜日に会社から持ち帰った仕事をやらねばならないらしく、旦那は朝から忙しそうだったけれど、どうしても、早くWi-Fiが使いたくて、なんとかしてもらいないかと、わがままを承知でお願いした。
旦那はお昼ご飯を食べると、パソコンを操作して、無線ルーターのバージョンアップに取り掛かってくれた。
30分くらい格闘した結果、うちの無線ルーターはもう古いから、新しいのに買い替えないとバージョンアップもできないらしい、と言うことが告げられた。
「無線ルーターっていくらくらいするの?」
「3000円から5000円くらいで買えるんじゃないのかな?」
「じゃあ、買おう」
家計からでもいいし、もしダメなら、自分のお小遣いから出してもいいとさえ思った。
午後、家族みんなで、近所のショッピングモールに買い物に行き、そのついでに無線ルーターを買った。
いつもなら、電化製品は、自分が買える範囲の方法で、どこが一番安いかなど調べるくせに、今日は、ある程度なら少し高くてもお金を出していいと思った。
結局、最安値ではないけれど、それほど、割高でもない価格で近所に売っていたので、ありがたく購入し、旦那にセッティングしてもらったら、Wi-Fiが繋がった。
「やったー! ありがとう!」
思わず、旦那に抱きついて、お礼を言った。
旦那も、息子も笑っていた。
切れてみて、本当に有難いものだとわかった。
いや、わかっていたはずだけど、使っているうちに当たり前になっていた。
Wi-Fi、いつもありがとう。
昨日に限って、寝たままiPhoneで、動画が見たかったのに、見られなかった。
アプリのアップデートもしたかったのにできなかった。
本当に困ったんだ。
心細かったんだ。
ああ、でもその状態って、かなり依存的かもしれない。
それも、反省しないといけないかも……。
そして、Wi-Fiもありがたいけれど、解決に導いてくれた旦那はもっとありがたい。
心から感謝している。
ありがとう。