涙と笑顔のあいだ

HSC(ひといちばい敏感な子)中1ひとりっ子男子の子育てを通し成長させてもらいながら、日常のモヤモヤの純度を上げるべく綴る40代主婦のブログ

両親と兄が、旅行先の北海道で、地震の影響を受けている夜

今朝、午前3時頃、北海道で震度7とみられる地震があったのは周知の通りで、被害にあった方は、今夜は不安な夜を過ごしていると思います。

 

大好きな北海道という土地であること、そして、知り合いもいるということで、私も気になっていますが、さらに、今、偶然にも、私の家族が北海道に旅行しているので、本当に気がかりです。

 

昨晩から今朝にかけては、家族は、阿寒湖の近く泊まっていたようで、今朝メールを送ったら、「大丈夫だよ!」という返信が母からすぐに来て一安心しておりました。

おそらく、地図からすると、震度4くらいだったのではないかと思います。

 

それでも、いつ帰るのか? 今日はどこに向かうのか? どのような状態なのか? わからず、色々、質問しました。

 

すると、帰るのは、明日9/7で、これから、どこに向かうか考える! ということでした。

物足りない回答だったのですが、遠隔で、ヤンヤヤンヤと言っても仕方がないと思い、「気をつけて!」とメールをし、今日、一日を過ごしました。

 

もし、私だったら、例えば、旅行の行程を変更して、現在、被害の少ない釧路とかに移動して、できれば、今日中に帰る道を選択するかな? などと考えていたのですが、夕方に電話したところ、十勝のホテルに着いたというのです。

 

地図を見ると、100キロほど。

状況はわからないのですが、家路を急ぐというよりは、予定通り観光したような気がしました。

「観光したの?」って聞きそうになって、やめておきました。

 

じゃあ、何も支障がないのか? というと、そうではなくて、信号やさまざまな電気が停電していて、ホテルは、断水でもあるので、トイレも、風呂も使えないし、もちろん、電気もつかず真っ暗だというのです。

どうにか、陽が落ちないうちに夕食を食べて、あとは、寝るしかないという状況のようでした。

 

電話の時間は短かったので、詳しくは聞いてないのですが、地震後もおそらくは、行程通りに進もうとし、明日もできうる限り明日もそうしようとしているのだと感じました。

明日、夜の便で帰る予定だそうです。

 

おそるおそる

「飛行機飛べそう?」

そう兄に聞いたら

「わからないけれど、旅行会社の人が、飛ぶ可能性ありますって言うから」

と言われました。

 

私も不確かなことしかわからないので、不安を飲み込んで

「そうか! わかった!」

と言いました。

 

驚いたのは、ツイッターくらいしか、情報が取れないというのです。

まさかこのような事態になると思っていなかったので、ラジオは持っていなかったようですし、テレビもつかないから、何もわからないと言っていました。

 

友達がfacebookで共有してくれた、NHKオンラインがもしかしたら役に立つと思い、メールにリンクを貼って送るねと言った矢先、電話が切れました。

 

www.nhk.or.jp

その後、電話をしても繋がらなくなりました。

 

とりあえず、リンクは送ったのですが、見ることができたか、役に立ったかはわかりません。

 

世界中や日本中で、色々な災害が起きると、心を寄せていたつもりでしたが、やはり、家族が渦中にいると、その比ではありません。

 

しかし、私が、遠くで不安がっていても、何にもならないので、自分の生活を粛々をこなしつつ、有益な情報がもし手に入ったら、どうにか伝えたり、無事を祈ったり、できることをしようと思います。

 

最近、さらに、目が不自由になってしまった母と、体調も万全でない父を連れて、旅行に行った兄に対して、旅行自体を止めたい気持ちも実はあったのですが、兄なりの愛情表現として、黙って送り出していました。

 

結果的に大変な事態になっていますが、今、3人の家族が無事でいることを喜び、無事に帰ってきてくれることを願おうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

夏のお礼にプレゼントしたもの!

この夏休み中、私のパートのために、休みを取ってくれた旦那と、本当は家に居たいのに、少し不機嫌になるくらいで文句も言わずに、私の実家に行ってくれた息子に、なんか、ほんの少しでもお礼がしたいと、

「感謝の気持ちを込めて、何かプレゼントするよ! だけど、予算は千円」

と、それぞれに、言ってみた。

 

千円は、お礼としては、ケチくさいかもしれないけれど、家族内で、気持ちを表すには、そこそこな金額だと思った。

それに、私も、家計のために、働いているんだぞ! という自負もあったし。

 

そうしたら、息子が今、夢中になっている「星のカービィ」の何かがいいと言った。

「ぬいぐるみが欲しい」

と言われたけれど、千円ではちょっと難しそうだった。

どうしようかな? ここは、予算にこだわらずに、買ってあげた方がいいかな? なんて思っていたら、旦那が

「ぬいぐるみいいよね! じゃあ、俺とユウの分合わせて、二千円では買えるんじゃない?」

と言い出した。

「え?」

驚いて、旦那と息子の顔を交互に見ると、息子は、嬉しそうに笑っていた!

「二人が良ければいいけど!」

 

その後、2時間もしないうちに、会社に行った旦那から、LINEがきた。

amazonのリンクが貼ってあった。

「これなんか、値段的にいいんじゃない?」

送料込みで、ちょうど二千円だった!

 

息子に確認すると、本当は、もっと大きいのが欲しいという話だった。

でもこれよりも大きいと、七千円もするらしい。

ちょっと、痛い。

 

決めかねていたら、旦那から、またLINEが入った。

「実物がちょうど、このサイズらしいよ」

実物って言ったって、架空のキャラクターじゃないか! と思って、言ったら、息子に

「夢が壊れちゃうので、そういうことは言わないでください」

と言われた。

 

すみません。

反省しつつ、息子も納得したので、購入!

「明日届くらしいよ!」

 

そして、本日、PTAとして手伝いに行っていた地域のお祭りから帰ってきた私を待っていたのは、旦那と息子とカービィーだった。

 

へー! ちょっと可愛い!

 

息子は抱っこしてみたり、ぬいぐるみの下に、プラレールの貨物車の台車の部分を置いて走らせてみたり、していた。

時には、私のパソコンの後ろに置いて

「監視中」

と言ったり……。

 

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まあ、楽しそうで何より!

 

夏休みも、おまけの、今日と明日で、とうとう終わる。

 

夏の終わりに、いいプレゼントができたとしたら、それはそれで嬉しい。

 

 

星のカービィ ALL STAR COLLECTION カービィぬいぐるみ(M)スタンダード 高さ23cm

星のカービィ ALL STAR COLLECTION カービィぬいぐるみ(M)スタンダード 高さ23cm

 

 



 

 

 

自分も人も大切にする方法はあるのだろうか?

自分の意志ではどうしようもないことを考えて、やきもきする時間がある。

 

断ったら、人が不機嫌になったり困ったりするのがわかるから、本当はやりたくのないことをやろうとしていることもある。

 

できることしかできなくて、できないことはできない癖に、できないことを無理にやろうとするから、面倒なことになるんだな。

 

そうは言っても、人のこと気になるし、できることなら、人のためにもなりたいし。

 

だけど、自分の気持ちも大切にしたい。

 

自分の気持ちも聞いてもらう分だけ、人の気持ちも聞いて、できることはすればいいのかな。

 

どうだろう?

どうなんだろう?

 

どう生きるか?

 

答えはなかなかでないけれど、考え続けよう。 

一筋縄ではいかない環境にいる意味を考えてみた

例えば、愚痴をこぼしたくなるほど大変な状況に身を投じている状態で、信頼できる人の前で、散々、愚痴った挙句

「じゃあ、やめちゃえば?」

と言われると

「いやいや、そういうわけじゃなくて……」

と慌てて、言い訳をしている ってこと、あったりする。

 

やめたいのか? やめたくないのか? でいうと、多分、本当は、やめたくはない。

でも、この環境には、不満があるんだよな……なんて思っていたら、私の脳内から、なにやら、ごそごそと声が聞こえ始める……。

 

A:じゃあ、その環境っていうのは、自分の努力で、変えられるもの? 変えられないもの?

 

B:変えられるものもあれば、変えられないものもあるよ。

 

A:変えられるものは、変える努力をしてみた?

 

B:うーん。全然していないというわけじゃないけれど、もう充分したとは言い難い。

 

A:じゃあ、どうしたらいいと思う? というか、どうしたい?

 

B:改善できるものは、やってみたい。で、変えられないものは……

 

A:変えられないものは?

 

B:諦めるか……。

 

A:諦められる?

 

B:どうかな? わからない。

 

C:諦めるっていうのは、その場所から去ることなの? 受け入れることなの?

 

B:え? 誰?

 

なんて、脳内の登場人物が多くなってきてしまうこともある。

 

はてさて……

 

 

実のところ、こうして、自分の中で考えた時に、出てくる言葉は、もちろん、自分が今まで体験した感情からくる事もあるけれど、おそらく、今まで、誰かに聞いた言葉だったり、読んだ本だったりする。

 

誰かに話を聞いてもらうこと。

自分の脳内会議をすること。

書き出してみること。

 

どれも大事で、いつ、どれから、自分の本当の気持ちもがわかるかは、わからない。

 

今日、これが本当の自分の気持ちだと思っても、次の日には、別の気持ちがわーっと現れてばーっと広がることだってある。

 

なんだかな。

自分のことってよくわからないよな。

 

でも、きっと、迷えるってことは、幸せなことかもしれないし、あるタイミングで、どーっと流れるように、ことが進むかもしれない。

 

なんだかんだと言いながら、今の環境を選択しているということは、きっと、ここでの学びが必要で、それを自ら求めているからなのだとも思える。

 

心地いい場所も必要だし、いいんだけど、なんだか、ゴツゴツといろんなものにぶつかる環境も、自分と違う考え、価値観、感覚、そういったものがあるんだよってことを知るチャンスかもしれない。

 

それに、どうしても腹がたつということは、自分が何を大切にしているものが、わかるチャンスかもしれない。

 

そうやって考えてみると、学ばせてもらう事ばかりだ。

 

だからといって、ずっと同じ場所にいることが、最善でもなく、あーでもない、こーでもないと感情を味わった末に、卒業することだって意味があると思う。

 

ただ、もう少し、今、ここで、できることをやってみようと、今は、思っている。

 

 

 

 

 

残念に感じた一日を振り返ってみたら……

昨日、旅行から帰ってきたから、大量にあった洗濯をした。

 

息子がプールに行っていた間に、買い物に行って掃除した。

 

お昼ご飯食べたら、仕事のことが気になって、同僚にリマインドした。

 

午後には、息子の夏休みの宿題が気になり、サポートした。

 

そしたら、夕方になっちゃって、ご飯作って食べたら、夜になっちゃった。

 

あー!

読みたかった本が読めなかった。

書きたかった文章が書けなかった。

 

自分がしなかっただけなのに、誰かのせいにしたくなってる。

 

人のためにやったとしても、それは、自分がやりたかったからしたんだよね。

 

それに、できたこともたくさんあったよ。

 

洗濯がすっかり乾いたのも晴れたおかげ。

プールにすんなり息子が行ってくれたのは、彼が成長したから。

仕事ができるのも、私を信頼し、任せてもらってることがあるから。

 

「ない」ではなく、「ある」に注目したら、残念だと感じていた一日が輝いて見え始めた。

 

疲れて眠いけど、ぐっすり眠って疲れを取るチャンス!

 

明日もいい日にしよう!

昼寝が下手な私

「眠そうだから、1時間くらい昼寝して、さっぱりしてから、勉強する?」

息子に提案して、今、寝かせたところだ。

 

午前中、予約していた歯医者と、薬が切れてしまったから急遽行った耳鼻科と、諸々の買い物とで、うん、疲れたよね?

わかるよ! 私も疲れたもん。

 

でも、明日はちょっと遠出するから、今日のうちに、自由研究の目処もつけてほしかったし、宿題も問題集ももっと進めてほしかったんだよね、本当は。

 

でも、眠そうに、不機嫌そうに取り組まれるよりも、一回寝た方がいいんじゃないかと思ったんだ。

 

台風の影響かな? 確かに、体もだるいよね。

わかるよ。

 

私もさ、チャチャッと片付けたかったこと全然できていないもん。

 

でもさ、君みたいに、思い切って昼寝をしちゃうことができないんだ。

 

昼寝に対して、なぜか、罪悪感を感じるし、寝ちゃうくらいなら、少しでも作業をした方がいいと思っちゃうんだよね。

 

なんでだろうね?

 

まあ、君がウトウトすること自体、快く思っていなかった私が、昼寝を勧めたことは、私自身に、昼寝を許可することに一歩近づいたのかもしれない。

 

昼寝が苦手な私だけれど、できるだけ、やるべきことは片付けて、今日はなるべく早く寝るとしよう!

 

仕方ない。

人には、得手不得手があるわけだから。

 

でも昼寝スマートにして、リフレッシュできちゃうことって、ちょっといいかもしれないよな。

 

今日は、やめておくけれど、今度、どうしようもなく眠い時には、チャレンジしようかな?

 

 

息子の水やり当番に巻き込まれた話

息子の通う小学校の4年生には、夏休みに「水やり当番」というものがある。

 

1組から3組、各クラス1名ずつで、毎日3名。

協力して、人参の種まきをした畑に水をまく……そう聞いていた。

 

確かに、「もしも用事がある日は、当日連絡をしてください。その場合、他の日にちでもいいので、夏休み中、一回は水やりをしましょう」と書いてあった。

「誰かと交代してもいいです」とも書いてあった。確かに。

 

予定表を渡されて、確認すると、息子が当番の日は特に用事がなかったので、面倒なことにならなくてよかった! そう思っていた。

 

だから、まさか、当日、あんなことになるなんて思わなかったのだ。

 

「ユウ、2組と3組は、誰と誰?」

もうすぐ水やり当番というある日、私は、息子に聞いた。

名前を聞いたら、私も知っている子と、知らない子だった。

「その子はどんな子?」

「優しい人だよ」

二人とも女の子だと聞いて、大丈夫かな? と少し思ったけれど、むしろ4年生くらいの女の子はしっかりしているし、指示してもらって、動く方が息子にとっても楽かもしれないとも思った。

「じゃあ、安心だね」

そんな風に楽観的になっていたんだけれど……。

 

当日。

帰り道は、どうにか一人で帰ってこられるようになったから、行きだけ、途中まで送れば、問題ないと思っていた。

けれど、私が「ここまで」と決めていた場所まで送っていったのに、息子は、不安だと言ってベソをかき出した。

 

もう!

私はイラついた。

「じゃあ、あそこまでね! あそこから、ユウが学校の門に入るのを見届けたら、帰るからね!」

自分でもビックリするくらい刺々しい声のトーンで、私は吐き捨てるように言った。きっと、目もつり上がっていたはずだ。

 

息子は、本当は、門まで来てほしかったけど、今、それは私に受け付けられない希望だと悟ったように、ガックリ肩を落として、トボトボと歩き出した。何度も、何度も振り返りながら。

 

私は、息子には悪いが、その時、完全に他の子と比べていた。

 

ああ、水やりをもうすでにやったという子たちは、なんの問題もなく、できたと聞いていたのに、息子ときたら、なんて怖がりなんだろう。

 

私にとって、最初、「ここまで」と決めていた地点まで送ることさえ、「譲歩」だったのに、そのラインすら超えてしまったことに怒りを覚えていた。悲しくさえあった。

 

不安がる息子の気質は、理解しているつもりだったけれど、私の態度は本当の意味で、受け入れてはいない証だったかもしれない。

 

だけど、その時の私は、もうこれ以上、甘えさせてはいけない! 息子は、勇気を振り絞って、あの門をあけ、一人で約束の場所に行かないといけない! と鼻息を荒くしていた。

 

振り返る息子に、早く行け! とばかりに、手でシッシッとするようにジェスチャーで伝えた。

 

悲しそうな後ろ姿だった。

 

それでも、どうにか、門に入ってしまえば、もう、同級生もいて、事なきを得るはずだった。

しかし、門の前で、首を横に振り続け、息子は立ち止まったのだ。

 

もう!!!

私は、全身で怒りを表しながら、息子に近づいて行った。

どうして、それくらいのことができない!

なぜだ! なぜなんだ!

そう、態度で語った。

 

門の前について、どうにか深呼吸して

「じゃあ、ここで、見てるから、中に入って!」

怒りを鎮めて言ったつもりだったけれど、鎮まってはいなかったかもしれない。

息子は、首を横に振っていたけれど、私には、もう、ここがデッドラインだった!

 

門の中に入った、負けだ。

何にかわからないけれど、私たち親子は、何かに、負けてしまうと思った。

「ここまで精一杯! 行って!」

観念して、息子は、門の中に入っていった。

 

あれ?

息子の背中を見送りながら、ここでようやく、私は、時間が過ぎているはずなのに、同級生の姿がないことに気がついた。

あれ? どういうこと?

 

牛歩とはこういうことことだろう! というほどの歩幅で職員室の前に向かって行った息子だったから、まだ、目的地までの道のりは遥かだった。

「ねえ! 職員室のドアをノックしてさ、先生に『水やりにきました』って言いな!」

私は、大声で、それを伝えた。

息子は、絶望的な顔をしていた。

首が飛んで行きそうなほど、横に振っていた。

 

はー!?

もしもの場合は、水やり手伝うからさ、職員室ノックだけでもしてくれよ!

そしたら、お母さん、門の中に、入るからさ。

多分、ユウが、職員室ノックしてくれたらさ、負けじゃないよ。きっと、勝ちだよ。だから、頑張ってくれよ!

 

心の中で、私は、戦っていた。

何と戦っていたのかはわからない。

さっきよりも、息子の状況が悪化し、きっとこれは、親が助けていい状態だと理解しかけてはいたけれど、それでも、目の前のそのハードルだけは、どうにか、飛び越えてほしかったのだ。

それだけ飛び越えてくれたら、全力で応援するから、頼む、頼むよ!

そう願ったのだけれど……。

 

息子は、しゃがみこみそうなほど小さくなってしまっていた。

 

だから、私は、はーっとため息をつきながら、重いその扉を開けた。

 

私は、一度、無言で、息子の肩を抱き、ここまでよく頑張ったとも思った。

しかしながら

「やっぱり、難しかったか、一人で職員室に行くのは?」

と聞いた。

「うん」

そう言った息子は、悔しいというよりはホッとした顔をしていた。

「そうか。惜しかったな。まあ、だいぶ頑張ったけどさ。じゃあ、行こう」

そう言って、私たちは職員室に向かった。

 

当直の先生は、あまり、水やり当番について詳しくなかったみたいだった。

何やら、説明の書かれた紙を見ながら、蛇口の回すところを渡された。

勝手に水が出せないように、わざと、取ってあるようだった。

「すみません。子どもたち三人でやると思ったんですが、今日は一人なんですかね?」

「ああ、そうみたいですね」

「そういう日もあるのですか?」

「そうですね……」

先生は煮え切らなかったけれど、はっきりしていたのは、どう見ても、ここには、息子と私しかいないことだった。

「息子一人では難しそうなので、私も手伝っていいですか?」

「はい! それは、もちろん!」

何をするかよくわからなかったし、夏休み前に口頭で一度説明を受けただけの息子の誘導だけでは心もとなかったので、先生に許可をもらって、その説明の紙を写真で撮らせてもらい、人参の畑に向かった。

 

「どこ? あの黒いカバーがかかっているところ?」

手伝いというよりは、私がメインで息子が手伝う感じになってしまった。

当初は、近くまで、送って帰るつもりだったから、靴下も履いていなければ、帽子も被っていなかった。

 

本来であれば、蛇口の係、水を撒く係、ホースをさばく係に別れるようだった。

ホースは30mくらいあった。

これは一人では難しい。

一緒に来て、よかった、と、その時初めて思った。

 

帰り道、先生にもらったゴーヤを手に持ちながら、

「あれは、大変だったね。ハプニングだったね」

と言ったら、

「一人じゃ無理だよ」

少し息子が笑っていた。

 

「今回は、来て、手伝えてよかったけど、お母さん、もう少しだけ、ユウに勇気を持ってもらいたかったんだ。だから、ちょっと厳しく言ったんだ」

「うん。わかってる。ごめん」

 

思いがけず、水やりに巻き込まれてしまって、なんだかんだと笑えてきたけれど、正直、よくわからなくなった。

 

息子の繊細さはわかっているつもりだけれど、でも、もう少し、もう少しだけ、心を強く持ってもらって、できた! ってことを増やしてもらって、自信をつけてもらいたかったんだ。

 

その気持ちが強すぎて、あんなに怖く、あんなにイライラしてしまったんだな。

 

もう少し、もう少しだけ、もっと早く、息子に寄り添ってあげるべきだったのかな。

 

いろいろと考えていたら、泣きそうになった。

 

ああ、私もまだまだだな。

 

そうは思ったけど、頑張ったから、よし、ということにした。